整体を始めたのは、私が30歳の時。今から17年前でした。
体を通して改めてじっくりと観た「女性」は、とてもたくましくて、すてきな生き物でした。
でも自分を含めて、その女性のすばらしさを眠らせてしまうような心や体の使い方をしていることに気づいて、
「これはみんなに伝えなきゃ!」という心の衝動からきらくかんをスタートさせました。
17年という時間の推移とともに、私たちの心と体の使い方も少し変わってきたように感じます。
当時は今よりももっともっと男性的な心や体の使い方の人が多かった。
「男なんかに負けない!」というがむしゃらな生き方の人が、もちろん今でもいるけど、今よりももっと多かったように思います。
それはひっくり返すと、男は今よりももっとなかなか勝てないような存在だったのかもしれません。
草食男子っていう言葉が生まれてきて、私達女性ががむしゃらに頑張らなくても余裕で勝てちゃう男子が出てきた・・・っていうよりも、
男の弱さみたいなものに、今の女性は当時よりも気づいちゃってるのかもしれません。
バリバリ働く女性は今でも、いや、以前よりずっと増えたかもしれないけど、
胸毛が生えそうな、男勝りな頑張り方の女性じゃなくて、
ちゃんとかわいい、ちゃんと女性として魅力的な働く女性が増えてきたように思います。
もうひとつ、体との関わり方の変化のキーワードになるのは「癒し」という言葉です。
私が整体を始めたころは「癒す」「からだにやさしくする」という言葉はそんなに一般的ではありませんでした。
でもここ数年の間に、「癒し」や「リラクゼーション」、「オーガニック」など、体にやさしくすることやいたわることなどにみんなの意識が向いてきました。
それはすごくいい事のはずなのに、バリバリ頑張っていた女性たちがそれで元気になるはずなのに、
体を観るとあまり元気になっていない印象を受けるのです。
もしかしたら、がむしゃらな使い方の頃のほうが元気だったかもしれないんです。
どうしてだろう?
その疑問を感じたのと、答えを見つけたのは今年でした。
「体はとってもよくできている、そしてその働きは、体を使って、動かして正常に働く」
「体を元気にするには休める事よりもしっかり使うこと」
「私たちは意外と疲れていない。疲れているのは頭だけで、体は疲れが足りない。それが疲労感の正体」
「体をくたくたになるくらいに使うと、疲労は一気に抜ける」
「目や頭の疲れは、体をしっかり使うと抜ける、また体を使っていると、目や頭を使いすぎなくなる」
「癒し」や「リラクゼーション」っていうのは、休むことや、マッサージをしてもらうことだけではない。
それだけでは人は元気にならない。動かすこと、使うことも「癒し」であり「リラクゼーション」になる。
休ませることと使うこと。体をしっかり使わないと休めない。休むことよりも使うことのほうが足りてない。
「体を使うこと」というのが、心と体、そして人生をいきいきと輝かせるための基本だっていうことを再発見した年でした。
そうやってまわりを見渡してみると、魅力的な働く女性たちは、体を動かすことをすごく大切にしていて、みんな生活にうまく組み入れていることに気がつきました。
女性たちの変化に合わせて、きらくかんが提供するものも変わってきました。
「休ませ方」よりも「使い方」を伝える必要がある人が多くなりました。
これからも時代に合わせて、その時の、「今」の女性たちの(男性もだね)心や体の使い方に合わせて、
「私たちに出来る事は何だろう?」ということを考えながら、きらくかんを続けていきたいと思っています。
そして「おんなみち」に続く本を書きたい、その後の新しい発見を伝えたいという気持ちも湧いてきました。
2011年も残りわずか。
本当にいろんなことのあった年でした。
いろんなことがあった年だから、新しい答えを見つけられたのかもしれません。
どんなことが起こっても、どんなに時代が変わっても、女性の体の使い方が変わっても、
私たちは生きていて、生きていることは本当に素晴らしい。
「生きてるってすごいよ」「生きているだけでカンペキ!」
来年もよろしくお願いいたします。
おくたにまゆみ